四季のへらぶなの動きと釣り場のポイントに関する事柄の紹介です。
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へらぶな釣り
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(1)巣離れ
「巣離れ」とは春一番を合図とするように、水温の上昇により浅場や水底の傾斜面(カケアガリ)を回遊する現象をいう。
3月に入り水温が6〜7℃になると幾分動きが活発になるが、その動きはその日の気温に大きく影響される。「春は底を釣り」のとおり、浮き下を長くして底を狙うのが一般的である。
(2)乗っ込み
桜の開花時期はへらの産卵のため浅場によってくる乗っ込み期である。春の菜種梅雨で水位が上昇した後、水温が11〜12℃になると産卵場所を求めて浅場に回遊し、一年で最も釣課が期待できるシーズンである。平野部で3月下旬〜5月上旬、山間部の湖沼では4月中旬〜6月下旬にかけて産卵がおこなわれるところが多い。産卵行動である(ハタキ)
2.夏の釣り
(1)初夏の釣り
梅雨と重なる初夏は、平野部の場合、産卵を終えたへらが沖めの深場へ落ちて、ハタキで消耗した体力の回復を待つ一服の時期であり、あまりよい釣果は得られない低調な時期である。但し、水深のあるところや大きな湖では水温の上昇が遅いため、この時期でもよく釣れることがある。この時期は、底から宙釣りにタナが変わるため、中層〜深宙とやや深場が狙い目となる。なお、大雨により水の濁りが出ると上層を回遊することもあり、状況によりタナを変えることも大切である。
(2)盛夏の釣り
最も水温の高い時期のため、へらは中層魚として快適な水温を求め一日中上、中、下とタナを変化させて回遊する。朝はタナが低く、時間の経過と共に徐々に上がり、正午を過ぎると急にタナが深くなる。但し、波風のある場合や濁りのある場合、曇天日の時は高いタナが持続する。また、藻は太陽光線を遮断して水温を低下させる。表面水温と5〜6℃の差がある場合もある。
へらの最も好む水温は16〜23℃でそれをはずすと食欲が急激に低下する。従って、盛夏の釣りは水温の低い早朝か太陽熱がやわらぐ夕方の時間帯がよい。
3.秋の釣り
(1)初秋の釣り
日に日に日照時間が短くなり、それにつれて水温も低下してくる。朝、日中、夕方と気温と共に変化する水温にへらは敏感に反応して遊泳するため、四季の内でも最もタナが変化しやすい特徴がある。従って、「秋にはタナをとれ」と言われる名言とおり正確なタナをとることが釣果につながる時期である。なお、雨や曇り、強風時、早朝や夕方はタナが深くなると考えてよい。
(2)中秋の釣り
「・・心と秋の空」の如く、天候の変化が著しい時期でへらもタナや回遊コースに落ち着きがなくなる。その日の天候、時間によりタナが大きく変化するため、浮き下を大きく上下させる「エレベータ式」の釣り方が効果を上げる。
(3)晩秋の釣り
秋も深まり、水辺の草に霜が降り立つ頃になると、水温も低下してへらの回遊範囲は次第に狭くなり、徐々に深場に集まるようになる。この時期は、長い冬ごもりに備えて体力を増強するため、食欲が旺盛になり積極的にエサを求めるようになる。いわゆる「落ちべら」で春の乗っ込み期と同様釣果が期待できる時期であり、比較的大型のへらが多いのも特徴である。暖かい日は浅場や上層を狙い、寒い日は深場の宙か底、障害物の周辺がポイントである。
4.冬の釣り
(1)初冬の釣り
越冬の準備に入り、深場やオダ場に移動を始める。しかし、未だ完全に深場に移る「落ち込み」が完了した訳ではないので、晩秋と同様に暖かい日は浅場を、深場の場合でも深宙や底にこだわらず上層をねらってみるのもよい。但し、暖期のようにへらを寄せて釣ることは難しいので、付き場を考えてポイントを選ぶことがたいせつである。
(2)厳冬の釣り
この時期の釣りは「寒べら釣り」とも言われる釣りで、もっとも釣りにくい時期であり、高度にテクニックが要求される。それだけに本当の面白さがある釣りであるが、厳寒の時期一日中外で一カ所でじっとしているため、防寒対策も必要である。
温水性のへらは水温4〜5℃になると、活動はほとんどストップして冬眠状態となる。越冬中は口を「へ」の字に結び、1〜2mm程度小さく開いて呼吸するが、それも2〜3回/分と少ない。口を大きく開けてエサを吸い込むことはなく、周囲に溶解した粒子状らエサがあればそれを吸い込む程度で大きなエサは無視される。
ポイントは
@ 深場の底、または深場のカケアガリ周辺:外気による水温変化が少なく、地熱の影響も期待できる。
A 障害物の周辺:オダや木の株、岩石、橋げたや杭の陰などは水温変化が少なく、絶好の隠れ家となる。
B 底に起伏の変化がある場所:障害物と同様の効果がある。
C 湧き水がある水域:冬季には周りの水温より高く、へらが集まりやすい。
D 水に動きがある場所:酸素供給がよく、水流に影響されてへらの動きが比較的活発になる。
E 季節風(北西の風)が遮られる場所:寒風が遮られる所は水温が安定している。日だまりでも場所が多い。
F 釣り人がいつもエサを投入している場所:エサが豊富で冬場でも食い気がある。
G 浅場も要注意:暖かい日が続く時は回遊することがある。特に養殖べらではこの傾向が強い。